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日々の芥

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前作”白夜行”が、魂を殺された男と女の道行ならば、今作は、魂の殺し方を知り尽くした女と、蟻地獄に落とされる男の物語。
魂の殺し方を明かしていくのが、前作と違うところであり、”羊たちの沈黙”と”ハンニバル”の関係か。前作ではゾッとしながら、主人公たちのその悲しみを共感はできたが、今作にはそれがない。

主人公は阪神淡路大震災を利用して違う人生を生きるのだが、地震の発生から人生をスクラップアンドビルドする様が鮮やか。地下鉄サリン事件も出てくるし、あの日あの時、私は何をしていたか、何を感じたかを呼び起こす。それにしても、この長い物語を一気に読ませる筆力は見事だ。

底辺からどのような手段をつかっても、光の見えるほうへのし上がっていこうとする物語は、日本の場合、戦争直後とバブル景気時代を背景として多く見られる。どちらも自己のモラルに正直であることだけが信条だが、バブル期の方がより陰惨に感じられるのは何故だろう。

夜にしか歩けない者たちを書きながら、白夜には、不確かな闇があった。幻夜では、その夜さえ幻だった。夜のなかで、夜と合体した女王はどこに行き着くのか。
Amazonの書評にも多くあるように、後日譚は書かれるべきで、主人公の動機の解明がそのテーマになるべきだ。

幻夜 幻夜
東野 圭吾 (2007/03)
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白夜行 白夜行
東野 圭吾 (2002/05)
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