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日々の芥

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夏に吉村昭さんが亡くなった。もう新しい作品を読むことができないのが残念で、何冊か読み返している。
純文学系統では、「星と葬礼」「海馬」に収められたいくつかの短編。歴史小説は「虹の翼」「蚤と爆弾」「零式戦闘機」が好きだが、どれをとっても外れがないからきりがない。
その中でも尾崎放哉という俳人の晩年を書いた「海も暮れきる」が、ここ数年気にかかる。
吉村さんの小説でも文学者を題材にしたのはこの作品だけではないか。

尾崎放哉という生き方。
エリートで前途洋々のはずが、好きな女とはうまくいかず、酒を飲んでは人も自分も傷つける。何度か再起の道を与えられても、うまくいかない。人生で負け知らずの人には理解されないが、堕ちるという感覚は、一度味わうと誘惑に狩られるものである。
朝、仕事とは反対方向の電車に乗ったことはないだろうか。ここで、違う道に行くと、ろくでもないことになるのがわかっていながら、なぜだか、ふと踏み外してしまう。
そんな人生を送りながら、俳句を作り続ける、情けない男の情けない晩年を描いている。


海も暮れきる 海も暮れきる
吉村 昭 (1985/09)
講談社

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尾崎放哉 句集〈1〉 / 尾崎 放哉
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